あなたはもしかしたら、年金と聞くと老後の生活費として支給される「老齢年金」をイメージだけをお持ちではありませんか?
もしかしたら、「年金がどういうものか正直全く理解できていない」という状態かもしれません。
ですが、あなたのこれからの人生に大きく関わってくる年金ですから、少し年金について理解しておくと何かのためになるかもしれません。
ですので、本記事ではそんな年金について説明していこうと思います。
年金保険とは
年金保険は老後の生活、障害、死亡に対しての保証してくれる制度です。
そして、例外はありますが、年金は20歳以上60歳未満の国民全員に保険料を支払うように国から義務付けられている制度でもあります。
この年金は老後の生活を保障してくれる老後の年金である「老齢年金」はもちろん、ケガや病気を患った際にもらえる「障害年金」、加入者本人が亡くなった際に遺族の生活費を保障するための「遺族年金」があったりします。
そのため、国民の生活を守ってくれる制度ということになるかと思います。
ですので、年金の月々の支払いを怠ると、いざというときに国から守ってもらえる保障がなくなるということになりかねないので充分支払いには注意が必要です。
老後の年金はどう支払われているの?
よく勘違いされている方がいらっしゃるのですが、現在年金を受け取っている方は自分たちが積み上げてきた年金を返してもらっているわけではありません。
現在の現役世代の方々が支払っている年金の保険料から現在の年金を名目上支払っています。
ですので、現在年金を受け取っている方々が積み立てた年金は、その時の高齢者の年金として使われたということになります。
そして、私たちの年金も自分たちよりも若い現役世代に支払ってもらって、生活が支えられるということになりますね。
このような年金の仕組みを”賦課方式”と言います。
このように年金とは世代間の助け合うことが趣旨で設けられた制度ということです。
老齢年金をもらうには条件ってあるの?
老後の生活費の支えとなる「老齢年金」ですが、この年金をもらうには条件があります。
年金は最短で25年間、最大で40年間の納付期間が設定されています。
この最短の期間を満たすことで初めて、年金を受け取れるようになるということですね。
ですので、年金の支払いをしなかったり、年金の猶予をずっと申請している場合などは年金がもらえないということです。
年金の支払いを怠ると損をする?
たまに自営業やフリーターの方の中に「将来年金がもらえる保障がないから、払わなくていいや」と年金の支払いを怠る方がいらっしゃいます。
もちろん収入がなくて、支払えない状況で支払いを怠ってしまった場合は罰則はありません。
ですが、保険料を支払えるのに支払いを怠った場合は財産の差し押さえられた事例もありますから注意が必要です。
もしも失業したなど場合は、これからまた就職して働く予定がある場合には猶予や免除、減額の届け出を役所で提出することで免除または猶予、減額してもらえますので、必ず申請をしておきましょう。
また、そもそも老後に年金をもらわないのは損だったりします。
なぜなら、現在の年金はそもそも年金以外の消費税や所得税といった税金で賄われているからです。
厚生労働省の調査によると、現在の日本では高齢者が全人口の27.7%(平成29年の調査PDF)を占める、全人口の21%以上の65歳以上の高齢者がいる「超高齢社会」です。
そのため、国は「働いて稼いだお金から所得税として税金を納めてもらう」ことができない高齢者が増えているということです。
そして、年金を納めるのではなく、受給される人たちが増えたことで、他の税金から賄わなければいけないという状況になっています。
このことから現在の高齢者に対して支払われている年金のために、私たちは年金以外の税金を払っていることになるために、将来的に年金として回収しなければ払った税金分が勿体ないということになります。
ですので、年金はもらえるように支払いをきっちりしておきましょう。
年金の種類
年金には大きく分けて「国民年金」「厚生年金」「共済年金」の3種類あります。
国民年金
20以上60歳未満の方が必ず加入しなければならない年金です。
この年金は自営業、学生、フリーターの方が加入しています。
今年の国民年金保険料は月額は16,490円(平成29年)です。
※この保険料は毎年4月に引き上げられるようになっています。
厚生年金
会社勤めの方が加入している年金になります。
年金の保険料は「基礎年金(国民年金)+厚生年金部分」を事業主と労働者で労使折半して支払っています。
厚生年金の保険料は月額の給与額と賞与額によって金額が異なります。
下記の計算式を見ていただくとお分かりいただけますが、給与が高ければ、それだけ保険料を払っているということになります。
それに加えて、大企業などには「企業年金」というものも加算されます。
厚生年金の月々の保険料と賞与時の保険料の計算式は下記のとおりです。
※標準報酬月額の上限は62万円
※標準賞与額の上限は1回の支払いにつき150万円
共済年金
国家公務員、地方公務員、学校の先生などが加入する年金になります。
年金の保険料は「基礎年金+共済年金部分+職域加算(職業によって異なる)」を支払っています。
公的年金の全体像
公的年金の被保険者には第1号から第3号の3種類があります。
上記の年金の種類では「国民年金」「厚生年金」「共済年金」をご説明しました。
ですが、ここでは国からみた国民の立場から3つに振り分けられます。
ごちゃごちゃにならないように気を付けてください。
第1号被保険者
20歳以上60歳未満の自営業、学生、無職の方となります。
第1号被保険者は上記でご説明した「国民年金」に加入されている方のことです。
ちなみに国民年金の納付期限は原則として翌日末日です。
※保険料の滞納をした場合、あとから2年以内の分しか支払うことができません。
第2号被保険者
会社員や公務員といった企業や機関で働かれている方となります。
第2号被保険者は上記でご説明した「厚生年金」と「共済年金」に加入されている方のことです。
第3号被保険者
20歳以上60歳未満の第2号被保険者の被扶養配偶者の方です。
厚生年金に加入していている夫を持つ奥様で、かつ専業主婦であれば国民年金の支払いは免除となります。
そのため、保険料の負担はなしとなります。
老齢年金の支給額
国民年金に加入されている方は基礎年金のみですので、月額約57,000円と言われています(※平成28年)。
厚生年金や共済年金の支給額に関しては、収入金額に異なりますので、具体的にいくらといったことを申し上げることはできません。
例えでいうのであれば、現在の年金で、ごく一般的な家庭の夫の収入が400万円で会社員であれば夫は厚生年金、妻は国民年金に加入しているとします。
だとした場合、2人分で合わせて、1か月に約22万6000円受け取れると考えられます。
ですが、老後の生活費は2人分は1か月あたり約26万円かかると言われています。
もしも、会社から退職金がでるということであれば、最低限の生活ができると考えられます。
ですが、老後の生活のためにこういった足りない部分を働けるうちに貯めておくことが大切です。
年金はどれぐらい生きれば元が取れるの?
自営業の方などの国民年金を支払っている単身の方の場合は、月々15,590円(平成29年4月~平成30年3月は16,490円)を保険料として支払っています。
これを40年間満額で支払っているとしたら、
「15,590円×12ヵ月×40年」という計算になるので、支払う保険料の総額が748万3200円となります。
その国民年金を40年間満額で支払った場合、一年間に受け取れる年金受給額は77万9300円とされています(厚生年金保険・国民年金事業の概況 参照)。
ですので、「748万3200円 ÷ 77万9300円」で計算して、9.6年間で元が取れると求められます。
また、会社員の厚生年金を加入された方はそれよりの短くなるとされています。
(厚生年金の保険料は会社からもらう給与によって変わるため計算しません。)
本来、元を取る取らないといった考え方は良くないと思います。
ですが、保険料を払っている以上そういった損得勘定も頭の隅に入れておくべきだと考え、書いてみました。
老後の資金は貯めておくことが大切
現在の日本は「超高齢社会」と呼ばれ、若者の数よりも高齢者の数のほうが多いという状態になりつつあります。
それにより、国民年金保険料が毎年引き上げられていたり、現在の年金保険料と税金でも賄いきれなくなると予想されていることから、「消費税が引き上げる」といった議論もされています。。
ですので、これから高齢化が進んでいることから年金制度もどんどん変化していくと考えられます。
現在の国民年金のように賦課方式でこれから続くと仮定すると、私たちが年金を受ける時の若者の数が重要になってきますよね。
高齢化が進むことで高齢者の人数が多くなっていくことを考えると将来の年金も不安になってくると思います。
そのことから、国民年金が破たんしないからと言って、何も考えずに働いていくというのはとてもリスクが高い考え方といえるかと思います。
ですので、今から自分が働けるうちに老後の資金を集めておくことが大切です。
その資金集めに適した方法を下の記事で紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
https://ten-choose.com/お金/nisa/
https://ten-choose.com/お金/個人向け国債/
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