学生のころや会社員だったころ、
「意味のないことなんてこの世にはない。だから、何事も意味を見出して頑張っていかないといけない」
といったニュアンスを含んだ言葉を何度も言われてきました。
そして、私と同様、そう刷り込まれてきたことで、あなたも本来ほとんど意味のないことに対して「これはこういう意味があるから頑張ろう」なんて考えて取り組んでいるかもしれません。
でも、私は思うんですよね。
何でもかんでも、この考え方をしていると損をするって。
一見、真面目な考え方で前向きで、お利口さんに見えるかもしれません。
ですが、私の経験上、この考え方に取りつかれていたことで、とても時間を無駄にしてきたし、後悔だってたくさんしてきました。
ですので、本記事では『何でもかんでも意味を見出そうとする考え方』について書いていこうと思います。
意味を見出そうとする姿勢のメリット
まず初めに、物事に対して意味を見出そうとする姿勢の良い点をあげていこうと思います。
この章以降は、この考え方の悪い部分に目を向けていくことになるのですが、すべてが悪いというわけではないという意味でメリット部分に触れておきたいと思います。
私的にはデメリットのほうが大きいと考えているため、少し物足りない書き具合になっているかもしれません。
ということで、さっそくメリットについて書いていこうと思います。
何かと継続できるようになる
どんなことでも意味を見いだすことができれば、続ける理由ができやすいといえます。
自分が苦手な作業を押し付けられていようとも、「これをすると自分はこうなふうに成長できる」と考え、嫌なことでも楽しみながら取り組めると場合がほとんどです。
最近では、新卒の人が3か月間もしないうちに会社を退職するなんていうのも話題に上がっています。
それはもちろん、実際にその会社に入社してみて魅力を感じなかったり、入社前に抱いていたイメージとのギャップからくるものだと考えられます。
こういった場合は逆に「これは自分がやりたいことではない」と意味を見いだせないことが理由に挙げられると思います。
とてもポジティブである
たまにどんなことでも平然とこなすような方がいます。
そういう人は「~の練習になるよ」とか「こういったスキルアップ磨いておくと後々楽になるよ」なんていうメチャクチャ前向きな考え方を持っていることがあります。
このような前向きな考え方は『物事に意味を持たせる天才』といえるかもしれません。
ポジティブな人って大抵、「意味がある」と思って取り組んでいることがおおいんですよね。
取り組む意図を理解しやすい
人は興味のあることは、どんどん深堀をしていくものです。
そんな興味は「意味がある」と知れば、それだけどんどん出てくるようになっています。
そうすることで、会社では指示されたこと以上に動けたり、プライベートでは効率的に進められるようになったりするんです。
これはとても企業から求められる人材ともいえるメリットですね。
誠意をもって取り組める
「こんなのやっても意味ないよな…」と思っていれば、対象の物事に対して雑な扱いをしてしまいがちです。
自分に取って大した意味を持たないものに時間を費やそうとは思わないですからね。
その逆に「これをすることで自分にこんなメリットがあるんだ」と分かれば、丁寧に作業もしますし、嫌なこともやれてしまうといえます。
そんな態度は仕事では「どんな仕事でも、しっかりとこなす人」と認識されること間違いないと思います。
なんでも意味を見出そうとする心理
きっと企業の若手社員なんかは結構、「意味を見いだせ」的なことを本で読んだり、上司に言われたりで、なんでも間でも意味を見いだそうとしているかもしれません。
ですが、これに慣れてくると、さらに違った意味合いを持たせるようになってくることもあると考えています。
ここでは一例ではありますが、なぜ何でもかんでも意味を見いだそうとする心理について書いていこうと思います。
自分を騙している
人は自然と自分のことを騙してしまうことがあるのです。
これは心理学では『認知的不協和理論』と呼ばれる人が持つ心理作用です。
過去の行動は変えられませんから、その代わりに都合の良いように解釈の仕方を変えてしまうというものです。
例えを挙げてみましょう。
会社でつまらない作業をさせられているとします。
成長もできないし、何より自分がやりたいことではないと思っています。
ですが、上司に文句だと思われる恐れがあるため、「違うことがしたいです」とは言えないわけです。
だからと言って、「自分にできることなんてない…」なんて考えて転職にも踏み出すこともできません。
そんなとき、もしかしたら「嫌なことは誰かがやらないといけないこと。だから、これをやっている私は会社、社会にすごく貢献ができているんだ」と考えるかもしれません。
本当は満足をしていないのに、今の状況が変えられないから、自分で今の状況の解釈の良い方向に変えているかと思います。
ここまで極端ではなくても、やりたくないことに対しても意味を見いだし、「それを良いことなんだ」と思える解釈に変えることで現状を耐えようと、自分を騙すようになってしまっている人って結構いると思うんですよね。
会社員時代は私もそうでしたし、周囲も無理やりどうでもいい作業に意味を見いだしていて、違和感を感じていたことを今でも覚えています。
シンプルに洗脳されている
「物事にも意味を見いだすことで、人は成長できるんです」といった感じの言葉を実績を挙げている人が言ったら、多くの人その言葉を信じてしまいますよね。
ですが、その実績を挙げている人が本当にそう考えて取り組んでいたのかは正直分からないですよね。
もしかしたら、ちょっといいことを言おうと「まぁオレはやってないけど、何事にも意味を見いだして取り組むことは良いことだから言っておくか」程度に思っているかもしれません。
周囲の印象をよくするために、きれいごとを並べている方々もいらっしゃいますから、それを鵜吞みにするのは良くないと思います。
それなのに、「この人が言ってるから」と何も考えずに正しいと考え、言われたとおりに行動に移す人もいます。
これは一種の洗脳だと思っていて、頭が思考停止している多くの人たちは信じて、何に対しても適用しちゃうんですよね。
例えば、堀江貴文さんが「ヒッチハイクをやったほうがいい」と言えば、発信者が結果を出されて熱意のある方ですから、その言葉を聞いてヒッチハイクをしたという方ってネット上では結構いるんですよね。
でも、私的には、
いやいや、別に言われたまんまヒッチハイクしなくていいでしょ…
って思ってしまうんですよね。
堀江貴文さんが言いたいのは、自発的に今までしたことがない、しないであろうことにチャレンジして、「人はなんでもやろうと思えばやれる」という実感を得たらいいんじゃないのって?って言っているような気がするんですけどね(笑)。
まぁそれで、何か得るものがあるんだから、結果オーライなんでしょうけど。
でも、あまりにも人の言葉の裏を考えずに、そのまんま鵜吞みにするのはどうなんでしょうね…。
実績を出している人の影響を受けて、それ通りにやってしまうんでしょうね…。
お利口さんアピール
人に指示されたことを、喜んで受けてくれる人って、他人からの印象は良くなりますよね。
「~はこういう勉強になりますから、ありがたいです!」なんて他人に頼まれたことを笑顔で受けてくれたら、他人からしてみたら「おっ!この人良い人かも!」っと多くの人が思うかと思います。
こういう印象を他人に持ってもらいたいがために、自分がやりたくてやっていると思い込めるように、どんなにつまらないものでも意味を見出そうとするのではないのでしょうか。
こういう人って大抵他人から都合よく使われてしまうんですよね…。
ただ指示に従うことへの抵抗
「オレは自分の意思でこの作業をしているんだ」という自分や他人に対してアピールをしているのではないかと考えられます。
プライドが高い人には「自分がやりたくもないことをやらされている」というのは、とても耐えがたい状況だといえます。
自分の意思なく生きていると思われるのが嫌だったり、他人に使われているという低い立場にいるしかないと人間だと認識されるのを、嫌がると予想できます。
特に男性なんかは自己顕示力が強いですから、「ドヤ!俺はスゴイだろ」と自分の力を誇示したいと思うはずですから、あながち間違っていないのではないかと思います。
だから「自分の意思でやっているんだ」と思いたい、他人に思ってほしいという意味でどうでもいいことにも意味を見出そうとしているのではないかと思われます。
他人からしたら、逆に「痛い人だな…」って思われちゃいそうですけどね…
つまらないことに意味を見出すのは時間を無駄にする
自分で考えずに何でもかんでも、「意味があるんだ」って行動していくと他人が喜んで自分は損をすることがあります。
「成長のため」と思って取り組んでいても、取り組み対してあまり成長ができなかったり、まったくいらない不必要なことまでしてしまうことがあるといえるのです。
別にそれじゃなくてよくね?
結構あるのですが、真っ当な考えを持って取り組んでいたとしても、
それってこれじゃないといけないの!?
って思ってしまうことがあります。
私の会社員のころの話なのですが、「お金はいいから、人をまとめるスキルを磨きたい」と会社で必死に働いている同僚がいました。
でも、正直会社に勤めるんじゃなくて、フリーでやったり、起業して事業を動かしたほうが、よっぽど人をまとめる能力を磨けますよね。
企業だと上の人から認められてその能力を磨ける業務に携わるのに時間がかかりますし、自分が求めている業務がいつもできるとは限りませんから。
上のような話をその同僚に伝えたら、「いや、それのほうが無理でしょ(笑)」みたいなことを言われたんですよね。
いやいや、たぶん企業で何年も働いてポストを掴むよりも、フリーで働いてチーム組んで案件をこなしていたら、数年で実現できるんじゃね…
今だったら尚更そう思っていたりします。
多分、その同僚は大きく変化することを恐れた結果、「この企業で働き続ける」という選択をしたほうがいいとおもったんでしょう。
つまり、ですね。
ということだと思います。
こういう考え方で、結構時間を無駄にしてしまうんですよね。
たまに激務を強いられているときに『忍耐力を身に着けるため』とかいう人もいますがヤバイですね…。
『断れるのが苦手』は本当にヤバイ
他人からは良くしてくれる人とうつっているかもしれないけど、本当は断るのが苦手という方っているかと思います。
自分が犠牲になっていれば、物事が丸く収まるといった考え方で、自分の行動を正当化しようとしているんですよね。
そして、それに加えて、会社だったら「他人に良いことをしてあげたら印象が良くなって、自分が困ったときに助けてくれる」といった漠然とした意味合いを持たせてしまう人もいます。
でも、他人の力を充てにしている人は、自分が困っていても助けてくれないです…
そもそも『断るのが苦手』というのは、いわば「自己主張ができない」という姿勢になりがちですから、そういう人は企業からも評価されづらい傾向にあるかと思います。
そうであったら、ただ頼み事をした側が得をしているだけですので、自分に何も返ってこないですし状況も変わりませんから、取り組んだ時間は無駄だといえるかもしれませんよね。
割とお人よしは他人から搾取されてしまうんですよね…
最後に:これを意識すると生活が変わる
最後に私が人生の中で明確になった結論を言います。
これは本当にそうだと思います。
自分が本当に「つまらない」と思うものに意味を見いだすのは人生の無駄遣いです。
会社でつまらない、何の役に立つのか分からないようなことに基本的に意味なんてありません。
意味のないものにあたかも意味があるように自分で意味を付加しているだけに過ぎないです。
どうでもいいことをやらされている間、ほかの同僚、それこそ他の企業の人たちが成長しているわけです。
そうなれば、他の人からその期間分は差がつけられることになります。
別に競争を意識しろなんて言うわけではありませんが、ほかの人が有意義な時間を過ごしているということは、自分もそんな時間が過ごせます。
ただ環境が悪いのか、そもそも正当に評価されていないのかは分かりませんが、とりあえずある程度期間は居続けて、変わらないようだったら早急にその環境からでていくべきなんですよね。
「運が悪かった」で済ませるのは勿体なさすぎますからね。
なので、何でもかんでも意味を見いだすのはやめて、自分が求めるもの向かう過程でだけ意味を見いだすようにしていきましょう!
最後に私が自分に正直でいられるための学びが得られる感じたお勧めの本として、堀江貴文さんの真っ直ぐで熱い内容になっている『本音で生きる』、自己啓発の最強本だと思っている『嫌われる勇気』を読んでみてください。
この2つは本テーマにピッタリの内容になっていて、読んだ人の人生にある不必要なものを取り除いてくれると思いますよ。
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