スターバックスの経営戦略について
スターバックスが有名になり始めたきっかけ
スターバックスはもともと、アメリカワシントン州にあるシアトルの小さなコーヒーの焙煎卸売り会社でした。
そこに「ハワード・シュルツ」氏が就職します。
そのハワード・シュルツ氏がイタリアに旅行にいきました。
そして、イタリアのカフェで立ち飲みで手軽に美味しいコーヒーを飲むことができることに衝撃を受けました。
この美味しいコーヒーをアメリカに広めようと考えたのがきっかけです。
当時のアメリカのコーヒーの味は薄かった
よく喫茶店で売られているコーヒーの種類に「アメリカンコーヒー」を見かけることがあるかと思います。
これはアメリカの「味の薄いコーヒー」が由来ということです。
そのため、その当時は薄くて不味い飲み物だったと言われていました。
それでも、アメリカではそれが親しまれていて、それが当たり前でした。
こういったことから、アメリカではちゃんとしたコーヒーは売れないと多くの人が考えていたのです。
客層に合わせて、変えていく
当時、アメリカでスターバックスを開店させたけども、受け入れられることはありませんでした。
そこで、お客さんに合わせてカスタマイズしていったのです。
カスタマイズとはお客さんの好みや必要に応じて、作り替えていくということです。
これにより、だんだんとアメリカではスターバックスの評価が上がり、事業規模を大きくしていき、アメリカでは知らない人がいないほどの知名度になったのです。
マクドナルドのコーヒーに負けた
皆さんも一度は飲んだことがあるスターバックスのコーヒー。
これは実は一度、マクドナルドのコーヒーの評価に負けたことがあるのです。
それは2008年に発行された、「コンシューマーリポーツ」という製品の品質をテストして評価するアメリカの雑誌の調査結果のことです。
マクドナルドのコーヒーは100円といった低価格で購入することが可能です。
そのコーヒーはスターバックスのコーヒーと比べて価格の割には美味しいという結果になったということです。
純粋にスターバックスとマクドナルドのコーヒーの味を比較したというよりは値段も考慮したといった結果ということです。
マクドナルドは低価格でそれなりに美味しいコーヒーでした。
ですが、スターバックスのコーヒーは「味」が売りだったのです。
その売りの味を下げてまで、価格競争をするのは良くないと考えたのです。
そして、スターバックスはコーヒーの味に加えて、「空間」も提供するようにしました。
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スターバックスはコーヒーを味わう空間を作り出す
スターバックスはコーヒーを作るときには、うまく合理化ができていました。
焙煎後のコーヒー豆を用いて、コーヒーを作る手間を省きました。
また、コーヒーを作る際には全自動のエスプレッソマシンで、誰が作っても同じ味にでき、かつ作る速度を速めることができていました。
スターバックスのように、急激に事業規模を大きくしていったことで、効率よさを求め、合理化を求めるようになったのです。
ですが、評価が高かった時には、効率が悪かったものの、コーヒーの味や焙煎のいい香りが店中に広がるような、コーヒーを味わう「空間」があり、それが魅力だったのです。
そのことから、スターバックスはあえてコーヒーの調理法を全自動をやめ、半自動に置き換えたのです。
これにより、従来のコーヒーを味わう空間を再度作り出すようにしました。
また、半自動になったことで、作り手によってコーヒーの美味しさに違いが出ることから、スターバックスは「バリスタ」と呼ばれるコーヒーについての専門知識と技術を持ったスタッフを養成するようになったのです。
これにより、従業員の指揮も高めることに繋がったのです。
そのために全米の店舗を一時休業させて、そのバリスタの養成研修の期間を設けたりしました。
また、日本では休業はしなかったものの、バリスタの研修は行われたそうです。
仕事ができる空間を提供した
現在のスターバックスではよくパソコンを使ったビジネスマンを見かけると思います。
これもスターバックスを行っている働く方向けの「空間」の提供ということです。
お店の中を無料でwi-fiが使えるようにしたり、パソコンの充電コンセントがあったりと働きやすい環境を整えています。
また、長い時間座っていても、ツラくないようにやわらかいソファーを用意している店舗も見受けられます。
このように長時間を想定したお客様に対して、過ごしやすい環境を整える代わりに、ほかの店舗よりもコーヒーの価格を若干高い設定しています。
スターバックスとは
スターバックスは美味しいコーヒーだけではなく、空間を提供しているということが魅力になりました。
これにより、スターバックスは多くのお客様に家や会社以外の「第三の場所」を提供することができています。
働く人には会社や取引先に行く前のリラックスタイムに、帰宅前に仕事とプライベートの切り替えをする場所として、親しまれています。
そういったスターバックスにしかないコーヒーと空間として、人々に認められていることがスターバックスという場所なのです。
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