相手に好感を持ってもらおうと様々な努力をされている方もいらっしゃるかと思います。
もしかしたら、現在あなたが好感を高めたいと考えている特定の相手がいるかもしれません。
そんな相手から「自分を特別な存在だと思ってほしい」と考えるのは当たり前のことですよね。
その気持ちに反して、積極的にアピールしているのに、「全然伝わらない」もしくは「鬱陶しい」と思われてしまう方も少なくないかと思います。
それはもしかしたら、あなたのあからさまな態度が原因であるかもしれません。
結局、相手が自発的にあなたを求めなければいけないわけですから。
そこで本記事では、その相手の好感を自発的に湧き上がらせるように仕向ける「ミラーリング」という心理学を活かしたテクニックをご紹介したいと思います。
ミラーリングとは
ミラーリングとは、相手の行動やしぐさなどを真似ることを言います。
人間は自分と似ている人に好意を抱きやすいということが分かっています。
このことをシンクロ効果とも呼びます。
長年連れ添った夫婦は同じしぐさや行動をとることが多いという傾向があります。
これは、お互いの親密さが高まると似ていくという循環によるところが大きいと考えられています。
その逆で似せることで親密が高まっていると意識させ、相手から好意を得られるといったような理由からミラーリングは効果的だといわれています。
そのため、ミラーリングを上手に活用すれば、相手から「この人は自分のことが好きなんじゃないか」とさりげなく相手に好意をアピールできてしまうということです。
また、相手に同調することで、相手は「この人とは気が合うかもしれない」と感じてもらえることも期待できます。
ですが、最近ではモテテクニックとして、ミラーリングが有名になってきていることで、相手から警戒されていることがあります。
そのため、ぎこちないミラーリングは「ミラーリングしているな、なんかマヌケっぽいな」と思われてしまうかもしれません。
もしくは、過度なミラーリングは逆に「この人はあからさまに自分を狙っている」と気づかれてしまったり、「鬱陶しいな、ウザい」と思われる可能性が十分に考えられるのです。
そのため、極端なミラーリングは相手を警戒されてしまうといった逆効果になりかねません。
ですので、本記事の終盤で紹介する3つのテクニックをさりげなく使うというのが重要なポイントだといえるでしょう。
ミラーリングの実験
3つのテクニックの説明をする前に、ミラーリングの効果が実験について説明しておきます。
ニューヨーク大学の心理学者「ターニャ・チャートランド」はミラーリングに関する実験を行いました。
実験時間は15分間、被験者を二人一組のペアにして、相手との好感度を変化を調査する実験です。
そして、そのペアには、「相手のしぐさや姿勢を真似るようにするように指示をしたペア」と「普段通りのペア」に分けた2つのパターンで実験が行われました。
この実験の結論は、実験後に行われた相手への好感度調査は「相手を真似たペア」のほうが好感度が高いという結果となりました。
好感度が高評価だったペアは全体で、「相手を真似たペア」のグループは73%あったのに対して、「普段通りのペア」グループでは65%だったということです。
相手をしぐさや行動を真似ることは相手に対しての好感度に影響を与えることが分かりました。
そして、この実験では、何も意識せず、ただ真似することだけを要求されただけなので、この程度の好感度の上昇しか得られなかったと推測できます。
ミラーリングの心理効果を理解し、あからさまに真似をするのではなく、適切なテクニックを身につけることができれば、さらに誰に対しても好感度を上げることができると考えられます。
次以降の章では本記事の本題である「ミラーリングのテクニック」を3つご紹介します。
ミラーリングの効果を引き出せるように、理屈を理解して自分の人間関係に組み込んでみてください。
テクニック①「クロスオーバーミラーリング」
これは皆さんがご存知の相手のしぐさや行動を真似るというものです。
これはいってみれば、相手が腕を組んだら、自然にあなたも腕を組むといったしぐさの真似ということです。
ですが、これはタイミングによって、不自然に感じることがあります。
というのも、自分が相手の真似をして、相手にすぐに気づかれてしまうような真似では不自然に感じてしまうのです。
理想的なのは、自分が自然と真似をしてしまうタイミングを自身で自覚して、その自然なタイミングで意図的に真似ができるということです。
このタイミングの例えとして、自分が尊敬している人の話を聞いているとき、自然とミラーリングをしてしまっていることがあります。
相手と一緒に考え事をしているときに、相手が顎に手を添えていれば、あなたも同じポーズをとっていたりとか。
そういったタイミングを理解して、意図的にできるようにするということです。
また、多くの人は相手の話を聞き入っているときなどに同じしぐさをしてしまうかと思います。
好きな相手がさりげなく見せる可愛いしぐさなんかも自分の印象に残りやすいので、自然と真似しちゃうかもしれませんね。
そういった自分が無意識にやってしまうタイミングを自覚して意図的に使うのが良いかと思います。
それとは別に、最近では完全に相手の真似をしなくてタイミングやリズムを合わすというのも有効だともいわれています。
相手が「話す、ドリンクを飲む、タバコを吸う」といったしぐさがあるとします。
そのしぐさのタイミングであなたも「相づちを打つ、ドリンクを飲む、ストローを咥える」みたいなタイミングごとにさりげなく真似をするだけで十分だと言うことです。
これであれば、完全に同じ動作ではないので、不自然に思われることがないかと思います。
このミラーリングは言ってみれば、”一体感を生む”ことが重要なわけです。
このクロスオーバーミラーリングはマスターすれば、上司や気になる相手に気に入ってもらえる可能性が高まると思います。
テクニック②「ペーシング」
ペーシングとは相手の話し方を合わせると言ったテクニックです。
相手の話すスピードやリズムはもちろん、声の大きさや高低を合わせることで、相手はとても話しやすくなります。
相手が悩みを打ち明けていれば、声のトーンを下げ、相手の話のペースをゆっくりにしたりするということです。
また、相手が楽しそうに話していれば、自分も声を若干大きくしたり、トーンを上げたり、話すペースを上げたりするということです。
このペーシングは”相手と自分が現在同じ気持ち、感情であるということを伝える”ということが大きな目的なのです。
これを理解したうえで、ペーシングを用いれば、相手が気持ちよく話すことができ、相手からの自分への好感も高まるというものです。
また、相手はどんどん自己開示をしてくれるので、相手は「これだけ自分が自分のことを話しているということはこの人のことを信頼しているのかも!?」と錯覚させることもできます。
それにより、あなたに好意を抱いてくれるかもしれません。
相手に自分の好意をアピールするだけではなく、相手が現在どんな感情かといったことも分かるかと思います。
例えば、自分が楽しく話しているときに、相手のトーンが低かったり、口数が少なければ、あなたと同じ感情ではないかもしれません。
その時はもしかしたら、相手があなたが楽しく話している姿をみたいがために聞き手に専念しているかもしれません。
逆に話が退屈とは言わないけど、すごく楽しいというわけでもないのかもしれません。
どちらにしろ、そういった相手の感情を察する手掛かりにもできてしまうというテクニックでした。
テクニック③「バックトラッキング」
バックトラッキングとは、相手の言葉をそのまま真似をするということです。
つまり、オウム返しをするということですね。
例えば、相手があなたに真剣に悩みを相談しているとします。
そんなとき、相手に「自分はあなたの話をちゃんと親身になって聴いていますよ」とアピールすることが重要です。
相手がもしも「~っていうことがあって悲しかった」といえば、あなたは「~があってかなしかったんですね」と繰り返してあげるのです。
これは程よい相づちをするときのように、重要な話のタイミングでオウム返しをしてあげることがポイントです。
このバックトラッキングは”あなたの興味は相手に向いていると感じさせる”ことが大きな目的です。
また、バックトラッキングの応用で、相手の情報を引き出すという方法があります。
これは、相手が言ったことをオウム返しするのに加えて、それに対して関連づいた質問をすることで相手の話を広げていくというテクニックがあります。
例えば、お互いことがあまり知れていない状況で、話を弾ませようとしてもできなかったりしますよね。
そんなとき、趣味や仕事、出身地の話題から話し始めるかと思います。
もしも趣味の話から入る際は、下記のようなやりとりを参考にしてみてください。
自分:趣味は何かありますか?
相手:旅行です。
自分:旅行なんですね。
年にどれぐらい旅行に行かれるんですか?
相手:3回程度ですかね。
自分:3回も行かれるんですね。
今まで旅行に行った中で何処がお勧めですか?
私も旅行に行きたいと思っているので、初心者でもおすすめな場所があれば、嬉しいんですけど
相手:それなら、秋に京都や富山とか紅葉が綺麗なところがお勧めですね
私が一番行って良かったなと感じたところは○○県の□□ですかね
自分:紅葉良いですね!
○○県の□□ってそんなに良かったんですね!!
私も今度行ってみたいと思います!
…
特にこれなら特別な技術を必要とせずに、話を弾ませることもできちゃいますよね。
また、これなら、相手のことをどんどん引き出すこともできちゃいます。
これを繰り返すと、相手があなたと話していて楽しいという印象を与えることもできますし、何より自分のことを知ってくれようとしている姿勢が伝わると思います。
また、これも自然と相手の自己開示させることができるので、相手があなたに対して、好意や恋愛感情を錯覚させることも可能なのです。
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