”無料”と聞いたらあなたはどうする?
あなたは”無料”というワードを聞いたときどんなことを考えますか?
そして、どんな行動をとりますか?
例えば、こんな経験はないでしょうか?
あなたは”運動で使う機能性、耐久性に優れた靴下”を購入しに行ったとします。お店に入ると目に入ったのは「この商品だったら2足目は無料!」という文章が書かれている「安くてお得だと感じさせる靴下」が並べられている棚でした。
そして、店からあなたが出てくるときには、安い靴下を2足持って満足して帰っていくのです。
目的は「運動で使う靴下」だったのに、「2足目が無料という安い靴下」を選択してしまったのです。
このように、”無料”という言葉には本来の目的を忘れ去る、もしくは優先順位を変えるほどの力があるといえるのです。
これがもしも2足目が「半額で買える」、それこそ「100円で買える」という条件に変えたら、これほどの効果は得られないと推測できます。
『予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 』に書かれている行動経済学者「ダン・アリエリー」氏が行った実験では1円だろうがいくら金額が安かろうが”無料”以上の優先順位を変えるほどの力は持たないということが分かっています。
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”無料”というワードを前に合理性を失う
人は”無料”を前にすると、無料を優先させ、不合理的な考えを持つようになる傾向にあるといえます。
例えば、もしも、あなたは欲しい商品があり、お店にいきました。
そのとき、欲しい商品が下記のような条件で売られているとしたら、あなたはどうな行動をとりますか?
- 1,000円で買える商品が”無料”である
- 700円支払えば、1000円の商品が2つ買える
※本日限りで、1人1回しか購入することはできない。
上記の選択肢であれば、1の選択肢だと1個の商品を1000円が無料で手に入り、2だと1300円お得に目的の商品を2個買うことができるということです。
これは言い換えれば、1000円が無料になるか、700円を支払って1300円が無料になるかの選択になります。
この条件は誰でも簡単に理解でき、必要であれば2の選択をするほうが、確実にお得なわけです。
ですが、これに関する実験によると、必要な人であっても無料のほうを選択するという結果となりました。
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なぜ、人は”無料”を前にすると合理的な考えができなくなるのか
誰もが考えることは、お金にしろ、モノにしろ、自分のみで完結する何かの対価に自分の手元から何かを差し出すというのはあまりいい気持ではありませんよね。
できれば、何も失わずに一方的に与えられるほうが良いと感じるのです。
つまり、人はいくら得なほうがどちらか明確になっていたとしても、
”自分の手元から失うこと回避することを優先して考える”
といえるのです。
そのため、上の例えであれば、対象の商品を2つ欲しかったとしても、700円を支払って多くの得を得るよりも、何も手放さないで得をするのみを選択するのです。
これはチャンスが一度しかなく、最大のメリットを得る条件があったとしても、多くの人は無料の力に左右され、不合理な選択をすると考えれます。
もしも、あなたが消費する側の人間であれば、無料という言葉に惑わされず、必要なモノを見極める、本当に得なのは何なのかといった”合理的な考え方を普段から持つ”ことが大切です。
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”無料”を作り出せば、消費者は購買意欲を増やすことができる
ここまでで、”無料”というワードは、人の購買意欲や購入時の選択に大きな影響を与えるという説明をしてきました。
そんな”無料”をうまく使えば、商品やサービスを提供する側で大きな効果が得られそうです。
例えば、複数の商品を組み合わせるような商品の売り方をするときに、この”無料”の力を発揮させることができます。
5つの商品をまとめて売りたいと考えるのであれば、その商品らをセットにして、その中で最も原価の安い商品を0円にして、「いまならセットで購入された方は〇〇が無料になります!」といった宣伝をするのです。
そうなれば、「どうせ、これを使うのに必要なモノが無料になるのであれば、こっちを購入したほうがよさそうだ」となるわけです。
また、『予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 』で紹介されている例では、自分が購入したい身の丈にあった車を決めてお店に行ったが、ほかの車で「この車ならオイル交換が3回無料」という宣伝に著者は、もともと目的にしていた車ではなく、高価な車を購入してしまったなんていう実体験もかかれていました。
それ以外にも、「美術館の入場料を休日は無料にする」という宣伝したことで、美術館に人が溢れ、食事などのサービスで利益が見込めるようになるなんていうものもありました。
このように、必要なモノをあえて”無料”にすることで、それ以外の商品で利益を得やすくするというテクニックに使うこともできてしまうのです。
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