「今の自分の働きでこの収入は割に合わないな…」
会社に勤められている方でこういった「自分の働き」と「報酬」が不釣り合いであることから、不満を抱いている方も多いかと思います。
例えば、周囲の人よりも責任ある立場で多くの仕事をこなしているのに、周りと同じ報酬なのはおかしいと感じているとか。
会社の帰宅後、休日、24時間毎日会社のことを考えて行動しているのに薄給だとか。
でも、「これから勤続年数が増えれば、給料も増えるだろう」と考えて、今をしのげば、いつかは不満のない生活が待っていると考えているかもしれません。
ですが、こういった考えで不満を抱いていながらも現在の職場で働いていっても、一生同じ不満を抱き続ける可能性が高いといえるのです。
そんな中でも、自分の仕事に対して誇りを持っている方もいます。
本記事では
”なぜ仕事に対して不満を抱き続けるのか”
”収入は少ないけど満足している人がいるのか”
について、”社会規範”と”市場規範”の2つの概念で書いていこうと思います。
「社会規範」と「市場規範」とは
”社会規範”と”市場規範”という概念について、下の記事で紹介しているので詳しく知りたい方は併せて読んでみてください。
ここでは簡単に説明しておこうと思います。
- 社会規範:社交性や共同体を意識した、社会的な繋がりを基にした価値判断
- 市場規範:賃金、価格といった金銭的な繋がりを基にした価値判断
つまり、簡単に言うと、社会規範とは人間関係において重点を置き、市場規範はお金など損得勘定で物事を考えるという考え方をするということになるかと思います。
なぜ仕事に不満を抱くのか
まずあなたは、何のために今の会社で働いていますか?
もしかしたら、「お金のため、生活していくため」という理由であれば、市場規範を適用していると考えられます。
多くの人は生活をしていくためにお金が必要ですし、何よりも社会で共通した基準として資産の大きさが重視されますから、社会的地位を築くという意味でも多くのお金を集めたいと考えています。
そのため、社会人のほとんどは”市場規範”を適用した考え方を持っているということになります。
このことから、基本的に金銭面の問題で現在の仕事に対して不満を抱くと考えられます。
例えば、学生時代の友人が会社で出世して、自分より収入が何百万円も差がついてしまったとします。
そんなとき、人は自分の能力が劣っているという以上に、「成長できないのは会社のせい」「現在の会社は自分の能力を認めてくれない」といった、他者と収入で比較することで会社や仕事に不満を抱くようになります。
そして、その収入の差がなくならなければ、いつまで経っても不満を抱き続けるようになるわけです。
また、人より働いていると思い込めば、周囲の人間と収入が同じことにも違和感を感じ、公平な評価がされていないと考えるはずです。
このように多く企業での会社員は自分の働きに対して賃金や待遇によって評価されたいと考え、その評価によってやりがいを見い出そうと考えます。
だから、会社から支払われる給料が上がれば、やりがいを見いだし、モチベーションも上がりますし、逆に給料が下がれば無気力となり、仕事のパフォーマンスは低下してしまうのです。
このことから、仕事に対して多くの人たちが市場規範を持ち出すことで、不満をいだきやすい状況を作り出しているといえるでしょう。
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収入が少なくても満足している人もいる
たまに収入は平均年収より低いのに、今の仕事に満足している人がいます。
一般的には他者と収入面で比較をして劣等感を味わうところではありますが、少しの不満はあるもののそれでも会社に尽くしているといった方のことです。
こういう方は今の仕事に満足している人は仕事に対して、”社会規範”を適用していると考えられます。
こういう人たちはその働き方、もしくは会社に誇り、愛着を持っている人が多いといえます。
仕事において市場規範から社会規範に切り替わるきっかけは、そういった金銭以外の要因が重視されたときです。
例えば、その会社の社長を尊敬していたり、会社に貢献していくうちに組織としての一体感が心地よく感じられるようになったりと、所属間得られる、承認欲求を満たしてくれる環境が理由になるかと思います。
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従業員が尽くしてくれないダメな会社とは
もしかしたら、あなたが現在の仕事に対して不満を抱いているとしたら、「今の会社に愛着がない」と感じているのではないでしょうか?
この愛着などは感情ですから、従業員の意識次第で解決する問題ではあります。
ですが、不満を抑えて、従業員が自分自身で意識を変えなければ、「尽くしたい」と感じられない企業はダメな企業であるといえます。
これからは個人で稼ぐ時代になっていることに加えて転職業界が拡大していることから、従業員のパフォーマンスを上げるための制度や待遇を設けることができない、企業の重役本位の考え方を持ち従業員に収入として還元しないという企業は労働力がどんどん外にでていってしまい、経営が立ち行かなくなっていきます。
また、従業員のパフォーマンスを高めることが企業の成長に繋がると理解できない企業は、従業員は市場規範を適用し続けますから、不満だらけの職場になり果てます。
そのため、「会社の業績が上がっているのに従業員の給料が上がらない」「従業員は労働力としか考えていない」ダメな企業は他社に転職するか、働き方を変える必要があるといえるかもしれませんね。
その逆で「うちの会社は社員に金銭的に還元しているのに、うまくいかない」という企業もあるかと思います。
そんな企業はもしかしたら、「出来高でボーナスが決まる」などの他者との順位を意識させたり、直接的に金銭を絡めた取り組みをしているのではないでしょうか?
これはむしり逆効果なので、すぐにやめるべきだと考えています。
そういった順位付けや金銭面での直接的なアプローチは市場規範的行動によってさらに社会規範を損なわれていくと考えられます。
ですので、現金ではなく、社内旅行やプレゼントなどの形や思い出に残る間接的なアプローチに変えるなどの工夫が必要だと考えられます。
もちろん、社員のほとんどは「現金のほうが嬉しい」という意見があるかもしれませんが、単に消費される現金より思い出と企業を関連付けるような還元の仕方にしたほうが、のちのちの社員からの評価が変わってくると思いますよ。
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仕事には社会規範を適用させるべき
ここまで読んでいただくと、仕事に対して市場規範を適用するのではなく、社会規範を適用したほうが良いということはなんとなく理解できたかと思います。
仕事に対して社会規範を適用させるには、
従業員:金銭よりも成長ややりがいを意識する
企業:従業員に対して待遇の改善、魅力に気づかせる取り組み
が求められるといえます。
大半の人は少なからず自分の仕事に誇りを持っているものです。
そして、多くの人にとって職場は単なる収入源ではなく、意欲や自己定義の源になりうると考えられます。
そういった感情を引き出すために、個人と企業両面の意識を変える必要があるのです。
ですので、会社員の方は社会規範を適用しようと取り組み、それでも不満を抱き続ける環境であるのであれば、他社にうつるという手段をとっても良いかもしれませんね。
もしかしたら、あなたが人をまとめる立場であるのであれば、やりがいを与え、愛着を持たせるような組織作りに取り組まないのであれば、会社員たちは他所に移ってしまう結果になると思うので、改善を意識しましょう。
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