公平理論とは
公平理論とは人と人とのやり取りはすべてプラスマイナスで表すことができるという理論です。
つまり、片方が労力を費やしている状態で、プラスよりもマイナスのほうが極端に大きい状態は人間関係において上手くいかないといったことですね。
例えば、会社で仕事で必死に働いているのに、会社の利益は上がっていくけど、自分のお給料は少なすぎるといったリターンが少ないことで、不満が積もっていくのは当たり前ということです。
これは自分が支払っている対価と、会社からのねぎらいの量が不釣り合いで生じる労働者にとっては悪い状況と伊技路得ない状態ということです。
人間関係でも、相手が喜んでくれるように頑張っているけど、相手が自分と同等の努力をしてくれないと「損している気分」になるのも同じことです。
相手を思い、自分が個人的にしていることだったとしても、相手が自分のために行動した割合が極端に違うと感じれば、不満に思うかと思います。
つまり、物事、特に人間関係において、”ギブ&テイク”が正常に働いていなければ不満に感じることは必然といったことが公平理論です。
不公平の状態が続くと人は…
この不公平から生じる不満を解消するために、人は次のような行動をとります。
費やす力を小さくする
自分が頑張っても、会社からのリターンは小さいと、仕事のパフォーマンスを下げて、不釣り合いの差分を解消しようとする。
他人に尽くしていても、相手は自分のために何もしてくれなければ、愛情表現を抑えて、相手と同等の状態にしようとする。
リターンを大きくしようとする
会社や相手から損をさせてでも、自分のリターンを増やそうとする。
例えば、会社であれば、犯罪などの会社の不利益で自分の利益になるような行為を行う。
人間関係であれば、相手以外の他人に評価されること、もしくは相手の私物を窃盗するなど。
リターンに対して認識を変える
現状のリターンではなく、後々のリターンを認識するようにするなど。
例えば、会社では現在のお給料ではなく、生活ができている状況はもちろん、福利厚生などの保証や退職金などがあることを認識する。
人間関係では、相手が自分のために費やしてくれる労力ではなく、その人と一緒にいると周りから羨ましがられる、出かける際にお金を出してくれるなどに注目する。
対象に対する認識を変える
不満に思っている会社や対象の本来の見方を変える。
会社であれば、取引相手の企業や仕事をする場ではなく楽しむ場としてみる。
人間関係であれば、友人や交際相手ではなく、自分が尽くさなければならないもの、その逆の尽くさなくて良いものにする。
対象自体から退く
不満に感じている対象に対して、関わらないようにする。
会社であれば退職をし、人間関係であれば縁を切る。
このように不公平だと感じることで、その不公平を解消しようと様々な悪い結果に結びついてしまうことがあるということです。
理想的な交際相手との関係とは
この”公平理論”は恋愛関係でも同様のことが言えます。
尽している、尽くされているといった関係は、恋愛関係であろうと例外ではないということです。
それこそ、恋愛関係のように「喜んでほしい」といった感情が入るからこそ、そういった不公平は個人で抱え込み続けてしまうといえます。
「私が好きでやっているんだ」と考えている初めのうちは問題ないことがほとんどです。
ですが、時間の経過とともに相手に対して、恋愛感情が薄れてきたとき、相手からの愛情表現に不満を持っているわけですから、「なんで私ばっかり!」となってしまうわけです。
自分が尽くしすぎて、自分のほうが愛情表現に比重が寄ってしまっている状態は良好な関係を築き続けるのは難しいのです。
「家に行くのはいつも自分」「連絡するのはいつも自分」といった自分が行動することが多いと感じたら、「私なんだか損している気分…」といった気持ちになりかねないのです。
また、恋愛関係であるからこそ、深い関係になっていくに連れ、その不公平さに怒りを抱いてしまうといえるのです。
また、もしかしたら、相手に尽くすタイプの方は、過去に「もう好きじゃなくなった」「うっとうしい」などが理由で相手に別れを切り出されたことはありませんか?
特に女性の方は母性本能が働き、男性に尽くしてあげたいと思うかもしれません。
ですが、そういった都合の良い女性になってしまえば、男性は飽きてしまいます。
なぜなら、「恋愛関係の「付き合う前と後で態度が全然違う!?」の変化の理由とは」でも説明していますが、男性は付き合う前の「自分のモノにしたい」という感情の時が、最も恋愛のテンションは高くなるということが分かっています。
それ以降は徐々に恋愛のテンションは下がっていきます。
それに加え、男性は「都合の良い = 自分の思い通りになる」と捉えがちですから、さらに女性への興味も薄れていってしまう傾向にあるということです。
上記の内容からお分かりいただいているかと思いますが、どちらにも「尽くす」行為に偏りがあってはいけないということです。
本記事の最初に説明したように「ギブ&テイク」を心掛けることが交際相手と良好な関係を築くのに必要不可欠だということです。
そして、女性は適度に「自分はあなたの思い通りになる女ではない!」といった気持ちでいることも忘れないようにしましょう。
「ちょっと損する、ちょっと得する」が丁度よい!?
恋愛関係には「ギブ&テイク」を心掛けることが大切だという説明をしました。
尽くしすぎれば、相手からは鬱陶しく思われたり、尽くしている側が損をしている気持ちになるということでした。
ですが、ここで興味深い実験をご紹介します。
日本の心理学者「井上」は「恋人同士でどれぐらい得していると思うか」という調査を行いました。
それに加えて、「現在の恋愛の満足度」と「どれぐらい結婚を望んでいるか」といったこともアンケート調査を行いました。
そうすると、「極端に損をしている、得をしている」だと満足度も結婚願望も低いという結果が出ました。
では、完全に自分からも相手からも同じぐらい尽くしている関係が良いと考えるかもしれません。
ですが、それが最も満足度や結婚願望が高くなるわけではないのです。
最も満足度と結婚願望が高いのは、「ちょっとだけ損得を感じている」状態という結果となりました。
一般的な考えであれば、お互い同じぐらいの愛情表現をすることが求められると考えがちです。
ですが、こういった「少しだけ損を感じている」という状態は、「認知的不協和」といった「これだけ尽くせるということは、この人のことを本当に好きなんだ」と行動と考えの矛盾を解消しようとする心理的傾向が働くのではないかと推測できます。
逆の「少しだけ得をしている人」も自分以上に大切にされているという気持ちから安心できのだと考えられます。
この調査結果から分かるように、相手に少しの損得を感じさせるような状態がもしかしたら、理想的な関係なのかもしれませんね。
恋愛心理学【恋愛で使える気になる異性を理論的に惚れさせる方法】
スポンサーリンク
スポンサーリンク
コメント