幼児的万能感とは ~社会で増える「こども大人」について

マインドセット

 

最近、大人になっても、子供のように「自分はそこらにいる人とは違う」といった自身のイメージを肥大して捉えている方が増えてきているといえます。

 

そういった方々は理由もなしに相手を蔑んだり、他人のことを気にかけないような配慮できなかったりなど、子供のような態度や考え方をする方々だったりします。

 

こういった方々の多くは”万能感”を持ち、自分自身だけを重要視するような考え方だったりします。

 

本記事では、最近の大人にみられる、子供の頃によくみられる万能感、”幼児的万能感”について説明していこうと思います。

 

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幼児的万能感とは

 

”万能感”とは簡単にいうと「自分にはなんでもできるんだ」といった考えを心の底から感じ、自分自身には限界はないと疑いもしない状態に陥ることを言います。

 

普段の自分だったらできないと思えることも、「今だったらできる」といった気持ちにさせるということです。

 

 

その万能感に「幼児的」という言葉が付け加えられた”幼児的万能感”という言葉があります。

 

きっとあなたにもこの幼児的万能感に覚えがあるかと思います。

 

子供の頃、現実では不可能な夢を掲げたことはありませんか?

 

例えば、幼い頃にウルトラマンや仮面ライダーといった非現実的な夢を持っていた方もいらっしゃるかもしれません。

 

幾度もなく怪獣や怪人といった悪い敵と戦い、スペシウム光線やライダーキックなどの必殺技を放ち、勝ち続けるヒーローに憧れた時期があったかと思います。

 

そして、「そんなヒーローになろう」と考え、子供ながらに訓練をしたかもしれません。

 

この夢は、実現させるには現在の技術では理論的には不可能であり、実現の可能性はゼロだといえます。

 

それでも子供の頃はその夢が実現すると信じて掲げた夢だったりします。

 

このように地球上にある理論や現在の技術力を考慮に入れることなく、自分だったら実現可能だと思いこむ感覚を幼児的万能感というのです。

 

この幼児的万能感は年齢を重ね成長していくに連れて、世の中のことや理論を知り、実現できないことを理解することで徐々に拭い去っていくものです。

 

ですが、ここまで飛躍した万能感はもっていないにしろ、それでも現在の大人の中には自分が無知であることを自覚しなかったり、自身の実力や能力を他者と比べることや受け入れることができなかったりと、大人ながらに幼児的万能感を捨てきれない方々が増えてきているというのが現状です。

 

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幼児的万能感を 捨てきれていない人の特徴

 

幼児的万能感を持った人にみられる考え方や行動に特徴があったりします。

 

その特徴がでる主な理由は

”自分の限界を自覚したくない”

”自分には不可能はない”

”他者より優れている”

 

といった意味合いで出てくることが多いように思えます。

 

ですので、ここでは幼児的万能感を持ったまま大人になっている人の特徴の一部を紹介したいと思います。

 

もちろん、下記で紹介することが完璧に正しいということはありませんので、完全に鵜吞みにして判断しないように注意をしてください。

 

判断基準が極端

 

「俺は〇〇には成れないのか…」と考え、何もしなくなる方がいます。

 

例えば、子供の頃からジャニーズに所属することを夢見ていたとします。

 

ですが、ジャニーズの審査に落ちて、アイドルとして活躍することができなくなったとします。

 

その時に、「俺はジャニーズになれないのか…」と落胆し、そのまま何年も無気力になってしまう方がいるとしたら、この方はもしかしたら幼児的万能感が抜けきれていない可能性があります。

 

自分の夢見る目的が達成できないと感じた時、自分には可能性がないと感じ、自己否定をし続けてしまうという状態になります。

 

このように子供のように実現が難しいものを必ず実現できると思い込み、それが実現できないと知れば、自分自身を全否定するということです。

 

このように極端に0か100かで判断するような考え方になってしまうというのも幼児的万能感の特徴だといえます。

 

 

「何もしない」ことで自分を守る

 

幼児的万能感を持ったままの大人になると、自身の限界を受け入れる状況を作らないために、「何もしない」という選択をとることがあります。

 

成功体験や実績がないのに「自分には他人とは違う、大きな可能性がある」と思い込みたいと感じるのも子供らしい考え方だといえます。

 

そういった「自分には何でもできる」という感覚は自分なりに本気で打ち込んで取り組みで一度でも失敗してしまえば、自分自身の限界に気づかざる得ない状況を作り出します。

 

そうなれば、そこらにいる人たちと同じだと自覚することになりますから、できるだけ「何もしない」、もしくは真面目にやらないという選択をしてしまうのです。

 

 

このように他者と比較して劣っている、同じだと自覚しないために、行動をしないというのも幼児的万能感を持った大人の特徴だといえます。

 

 

「本気を出してない」アピールをする

 

学校でも職場でも、不真面目な態度を取ったり発言をすることで、「自分は本気を出していない」アピールをする人っていますよね?

 

学校ではテスト当日に「昨日勉強全然しなかったわ」といった発言をする人もいらっしゃいますが、そんな方も幼児的万能感を持っている方なのかもしれません。

もちろん、本当に勉強する気は合ったけどできなかったり、必死に勉強して悪い点数だったら恥ずかしいと考えて言っている言葉の可能性もあります。

 

ですが、その中にはあえて勉強をしなかったり、または少し勉強をしてそれなりの点数を取って「俺は勉強してないけど、それでもこれだけの点数をとれるほどのポテンシャルを持っている」と自覚したいがために行っている方もいらっしゃるかと思います。

 

必死に勉強をした結果で点数が悪くても、「まぁ本気出してないから当たり前か」と自分に言い聞かせる意味で言っている言葉かもしれません。

 

自分自身の中で、「まだ自分は可能性を秘めている」という状況を作るために、あえて手を抜いたり、言い訳をすることがあるということです。

 

 

自己中心的である

 

たまに自分の意志で相手をコントロールできると考えている方がいます。

 

他人が他人を変えることはできるはずがないのに、なぜか自分の思い通りになると信じ込んでいる方がいたりします。

 

成果を上げているわけでもないのになぜか、「他人もこう思うはずだ」と自分の価値観を他人にも当てはめ、客観的にみれば自分勝手な行動になってしまっている方がいるのです。

 

極端にいえば、自分が世界の中心であるかのような考え方をするということです。

マンガやドラマをみて、このマンガの世界は主人公にスポットが当たり、都合よく物事が進むという内容を現実世界にも持ち込んでいる節があったりします。

 

 

成果も理論もないのに、「自分が正しい」「自分がすることは許される」と思い込むのも幼児的万能感をもっている大人の特徴だといえるかと思います。

 

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なぜ、幼児的万能感を持ったまま 大人になってしまうのか

 

本来人は、年齢を重ねるごとに知識と経験を積み、自分自身の現在できること、必要なことを理解していくものです。

そして、子供時代の絶対的な理想主義的な価値観は現実に見合った価値観へと変わっていきます。

 

ですが、人が学生時代を通して、そういった「自分の理想に反して実現できないこともある」という事実を経験から学んで行くものなのですが、物事を考えず、経験を積まないまま過ごしていくと幼児的万能感を持ったまま大人になってしまうのです。

 

本気で取り組んだ経験がなければ、自分の限界も把握することもできないわけですから、「自分が本気を出したらとてもスゴイことができるんじゃないのか」と考えるようになっても不思議ではないのです。

 

 

また、子供の頃から何も自分で考えなくても、過保護に身の回りのことを親や兄弟といった家族がしてしまうと幼児的万能感を持ったまま大人になりやすいと考えられます。

なぜなら、自分がしてほしいことを周りの人間がしてくれる状況はいわゆる「人をコントロールできる」と錯覚させるからです。

 

何不自由なく生活してきた人は、考えることもしなければ、周りに頼めば誰かがやってくれるわけですから、自分を中心に動かせていると考えさせてしまう可能性があるのです。

 

それに加えて、子供の頃から親から「あなたはなんでもできる、スゴイ子なのよ」と言われ続ければ、「自分には何でもできるんだ」と勘違いしてもおかしくないのです。

 

現実の壁にぶつかる経験をしていなければ、それだけ自分のことが理解できるチャンスを失っているということですから、それが少ない分、幼児的万能感を抱きやすいといえます。

 

 

このように人が成長していくうえで、必要な経験から人には限界があるということを理解する、理論的に考えるための知性を持たなければ、幼児的万能感を持ち続けることになると考えられます。

 

 

職場にいる幼児的万能感を 持った「こども大人」とは

 

本来、幼児的万能感は歳をとるにつれてなくなっていきます。

 

子供の頃は、親にしてもらうことが多く、自分でしなくても、全てうまくいってしまいます。

 

ですが、年齢とともに自分自身で、やらなければならないことがだんだん増えていきます。

 

それにより、自身で選択して行動し、成功や失敗を繰り返すことで、物事の難しさを理解できるようになることで幼児的万能感がなくなっていきます。

 

つまり、幼児的万能感を卒業するということは大人になったということです。

 

ですが、最近、大人になっても幼児的万能感を持った「こども大人」が多いような気がします。

というのも、土台を積み重ねる努力もせずに「俺にはできるッ!」と自信満々でいる方が多いということです。

 

自分の可能性を信じることはとても素晴らしいことですし、私自身そういった方はとても好きです。

ですが、「俺はこんなもんじゃない」といったポーズをとることで、自分の不適応感をごまかすような人は良くないと思っています。

 

「こんな職場に長くはいない」という言い分で成果を意図的に出さないというポーズや、成果を出せないのは自分ではなく環境のせいにするような人もいらっしゃいます。

 

それでいて、仕事に対して意欲も出さないので、職場環境に悪い影響を与えてしまう方だっているのです。

 

こういった努力もせずに、もちろん行動にも移さないでズルズルその状態でいるような、言葉と行動が一致していない「こども大人」が増えてきているのです。

 

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大きな夢を語るのは幼児的万能感?

 

大人になることで、たくさんの経験をして物事を理解していきます。

その中で大きな夢を掲げる方もいらっしゃると思います。

 

例えば、「働かないで生活をする」という夢を語っている方がいるとします。

これは一般の方からしたら、考えられないような非日常的なものかもしれません。

 

そんな夢は語っている方を見て、幼児的万能感を持った人だなと感じますか?

 

この夢は一般の方が非日常的に感じるからと言って、できないとは言えないですよね。

 

お金を稼ぐ方法は様々で、お金を貯めて独立したい優秀な人を見つけて初期投資をして、オーナーになれば可能ですよね。

 

また、ネットビジネスのアプリケーションを作って公開して収入を得たり、ブログでコツコツ作業して会社員以上の収入を得ることだって可能ですよね。

 

このように、こんな表面的な理屈ではなく、知識や経験を積んで、理論的に計画を立てている方であれば幼児的万能感と言わないです。

 

簡単にいうと、幼児的万能感かどうかは、理論的に実現可能であり、努力ができるかどうかによるというわけです。

 

 

最後に

 

人は万能感を持つと良いことがあっても、比較的悪いことにつながるケースが多いように感じます。

 

過度な自信から、人生を変えてしまうような失敗や大切な人を傷つけてしまいことだってあるのです。

 

基本的にそういった人の感情を放っておくと、大きな問題の種を蒔くことになりかねないのです。

 

ですので、成果をあげようが、成功しようが気持ちの高揚をしすぎないように気を付けるようにしましょう。

 

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