「周りの人が言っているのだから間違いない!」
あなたは物事をどのように判断しますか?
自分がしなければいけない行動や判断といった「自分で考える」際に、何を考慮しますか?
もしかしたら、「自分以外の他人の意見」を判断材料しているんじゃないでしょうか?
周りの人が言っていることは、なぜか正しい思ってしまうことが多いかと思います。
これは心理学でいうところの”ウィンザー効果”と呼ばれるものに当てはまります。
本記事ではこの”ウィンザー効果”について紹介していきたいと思います。
ウィンザー効果とは
ウィンザー効果とは、本人から伝える情報よりも、第三者から伝えた情報のほうが信頼性が高まり、影響力が大きくなるといった心理的傾向のことです。
例えば、相手を褒めるときに、「○○さんは~ができていてスゴイね」というよりも、「○○さんは~ができてスゴイって△△さんが言っていたよ」と伝えたほうが、素直に喜べるかと思います。
どうしても、本人から直接評価を伝えられると「何か裏があるんじゃないか」と疑ってしまいます。
ですが、うわさ話や周囲の人の意見と言ったものを間接的に伝えられた情報のほうが信頼できますよね。
また、あなたがモノを購入するとき、店員さんの言葉よりも、その商品についてのネットでのレビューや口コミ、友人の意見を信じてしまいますよね。
店員さんといった商品を売る側の人だと、売る側の都合で商品を勧められる可能性があると考えられますよね。
ですが、口コミやレビューは売る側の事情を考慮しない一般の消費者側の意見ですので、信頼度が高いんじゃないかと考えられるため、信頼してしまいますよね。
それに加えて、その口コミやレビューが多いほど信頼できると感じると考えられます。
このように利害関係がない状態で情報を伝えられることで、その情報を信頼できるようになるのがウィンザー効果というわけです。
自分の気持ちを伝える時には周りに力を使う!
人は口コミや噂話など間接的に伝わる情報を信じやすい傾向にあると説明しました。
これを応用して、自分の評価を高めたい場合は、周囲の人から自分のことが伝わるようにするという方法が有効だといえます。
例えば、自分の評価を高めたい相手の誉め言葉を伝えて回るみたいな。
これは噂と同じですが、内容が本当のことで良い印象を与えるようなものであれば、悪い状況になりにくいですよね。
だから、Aさんの評価を高めたいのであれば、「Aさんってとても優秀で魅力的ですよね」と周囲にAさんのことを褒めていたという印象を与えておくのです。
そうすると人づてにAさんに伝わり、伝わったときには「(自分)さんが私のことを本気で評価してくれているんだ」と信頼度の高い情報だと思わせて認識させるのです。
そして、Aさんは自分を見るたびに、「この人は私を良く思ってくれているんだよな」と生活の中で自分を意識させることができるのです。
人は一度気になり始めると、その人を無意識に目で追ってしまうものです。
この「この人とは毎日会っている」と認識させることで「単純接触の原理」といった好感を高まる心理的な働きが促されます。
このように周囲の人を介して相手に伝えることで、相手が信頼できる情報が伝えるようにすると、相手に好感を持ってもらえる可能性を高めることができます。
周りの意見が人の意見を変える!?
こんな不思議な実験があります。
アメリカの心理学者「ソロモン・アッシュ」は”同調”に関する実験を行いました。
※上の図はイメージです。
上の図の「図1と同じ線を右のA、B、Cから被験者に選んでもらう」といった実験です。
これを「被験者1人で解答する」場合と、「大勢のサクラがいる状態で解答する」場合の2パターンで行われました。
被験者1人で回答した場合は、もちろん少ししっかり見れば、「図1とBが同じ線である」ことを理解することができますので、99%以上の正答率となりました。
ですが、サクラが7~9人いて、サクラが全員「図1とAが同じだ」と解答したときには結果に変化が出ました。
それは99%以上の正答率があった問題にも関わらず、被験者が間違った解答をし始めたのです。
これはサクラと同じ解答をしてしまったといえるでしょう。
ここでの被験者が周りと同調してしまうのは、「自分以外の人が同じ考えを持っているのだから、自分の考えが誤りで周囲の答えが正しい」と錯覚し始めたということです。
このように、周囲の意見というのは、ここまで自分の考えを変えさせてしまうほど、影響力の高いものだといえるのです。
この実験のように、あなたは周りの意見によって考えが変わった経験はありませんか?
例えば、初めは「ちょっと苦手かな」と思っていた異性がいたとします。
それこそ、好きか嫌いかと聞かれると嫌いに限りなく近い状態だったとします。
そこで周りの人たちが「○○さんって怖いけど、クールでカッコいいわよね!」と自分に伝えてきたとします。
その伝えてくる人が多くなるにつれて、「素敵かもしれない…」と考えが徐々に変わってくるみたいな。
逆に、人気者で自分も「大好き!」と思っていた相手がいたとします。
ですが、周囲の人が嫌いになり始めたら、自分も嫌いになってしまったなんていうことはありませんか?
たまに人の彼氏彼女を魅力的に感じてしまう人がいます。
これも「他人が好きなものなのだから、間違いない!」といった自分の好きとは関係なしに、周りの評価の高い相手を好きになろうとしているんですよね。
このように周囲の意見や評価が人の考えに影響を与えるのも、ウィンザー効果であるといえます。
そして、このウィンザー効果を上手く活用できれば、相手からの自分の印象を良くすることも可能というわけです。
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