プライベートや職場と言った様々で考えられるかと思います。
そんなときに、自分が相手に頼みごとをするときに、断られることが多いという方もいらっしゃるかと思います。
私たちの生活の中では、やはり自分以外の他人の力が必要なときがあります。
そういった場合、他の人の力を借りられるかどうかというのはとても重要になってきます。
そこで、そんな自分が頼み事をするときに、相手が承諾してくれる可能性を高めてくれるテクニックに”ドア・イン・ザ・フェイス”といった心理テクニックを用いることで飛躍的に相手の承諾を引き出すことができます。
そこで、本記事では頼み事の際に、承諾してもらいやすくするテクニック”ドア・イン・ザ・フェイス”の説明をしていきます。
ドア・イン・ザ・フェイスとは
ドア・イン・ザ・フェイスとは、最初に現実味のない大きな要求をして、相手に断らせてから、要求レベルを下げた妥協案を相手に提示することで相手からの承諾を得やすくするといった心理的テクニックです。
このドア・イン・ザ・フェイスとは1975年にアメリカの心理学者「チャルディーニ」が発表した論文で提唱されたものです。
このチャルディーニが学生を被験者として、自分のことを「非行少年のためのボランティア活動をしている者」と偽り、被験者にボランティアの協力を頼み方で承諾率が変化するのかを検証した実験です。
実験ではまず、非行少年の相談役として、学生に「2年間、毎週2時間のボランティア活動」をやってくれないかとお願いをしました。
もちろん、そんなお金ももらえないのに長期的で、かつ頻繁にボランティア活動するなんて面倒だし、厳しすぎるので、非行少年は断ります。
そこで、チャルディーニは「では、1回だけ子供を動物園に連れて行ってくれる?」と伝えたところ、非行少年は承諾したということでした。
この難易度の高い頼み事を断らせて、難易度の低いお願いを承諾させる方法がドア・イン・ザ・フェイスというわけです。
このドア・イン・ザ・フェイスのテクニックを用いたときと、初めから難易度の低いお願いしたときと比べて、3倍以上もボランティアに協力しても良いと答えた学生の承諾率が高くなったといわれています。
この実験から、ドア・イン・ザ・フェイスは相手に頼みごとをするときに有効なテクニックだと決定づけたのでした。
ドア・イン・ザ・フェイスの具体的な説明
まずはドア・イン・ザ・フェイスの例を挙げてみます。
例えば、職場であなたが「1週間以内に資料をまとめてほしい」と部下に頼むとします。
これを普通に頼めば、下記のようになると思います。
自分:「○○さん、□□の資料を1週間以内までに頼めるかな?」
部下:「今週までにやらなければいけないことがあるので、難しいですね」
これだとその部下の方が現在少しでも忙しければ、「選択権があるのであれば、わざわざ自分から忙しくするのは面倒だな」と考え、断られてしまうかもしれません。
ですが、ドア・イン・ザ・フェイスで頼むと返答が違ってくるかもしれません。
下記がドア・イン・ザ・フェイスで頼むときの例です。
自分:「○○さん、□□の資料を3日以内までに頼めるかな?」
部下:「今週までにやらなければいけないことがあるので、難しいですね(マジで無理だわ…)」
自分:「そっか… じゃあ、申し訳ないけど、一週間以内に頼めないかな」
部下:「それなら大丈夫だと思います(断るのも悪し、1回目よりはマシだな)」
人は普段から良くしてくれている人の頼みはできるだけ断りたくないものです。
ですが、報酬が変わらない、かつ選択権を与えられているのであれば、それ以上に「面倒を避ける」傾向にあるといえます。
そういった選択すらも、考慮しなくなるケースがあります。
それは、”相手が先に犠牲や妥協をしたうえで、頼のんでいる”場合です。
相手が妥協をして、頼んでいることで、自分も妥協をしなければいけないなと言った考えになる傾向があるのです。
これを”返報性の法則”と言います。
この返報性の法則とは、「相手が譲渡してくれたのだから、こちらも多少無理してでも応えてあげたいな」と考えてしまう心理的傾向のことを言います。
この心理的傾向を意図して引き出すには、いかに相手の要望を組んで妥協し、落としどころを探ったかを訴えられるかが重要になってきます。
また、前回のお願いと比較して、「今回のほうが楽だな」と感じさせることもできるのです。
これは、ビジネスシーンでよくみられるもので、例えば、車や電化製品をお店で購入するときに、初めに通常の価格を提示し、それから価格を安くするといった方法がとられています。
上記のような理由から、ドア・イン・ザ・フェイスは人に頼みごとをする際には、有効なテクニックだといえます。
ドア・イン・ザ・フェイスはこんな時にもつかえちゃう!
ドア・イン・ザ・フェイスはビジネスシーンはもちろん、プライベートでも使えたりします。
例えば、あなたが女性だった場合、彼氏と遊園地に行きたいと考えているとします。
そんなときは、下記のようにドア・イン・ザ・フェイスを用います。
自分:最近旅行いけてないじゃん! だから今度の連休に海外旅行に連れてってよ!
彼氏:えっ… 海外旅行が厳しいな…(先立つものがないよ…)
自分:そっか… じゃあ、遊園地はダメかな?
彼氏:それだったいいよ(遊園地だったら、なんとかなるな)
彼氏の金銭面で不安があった場合は、あえて費用がかかるものを先に提示して、彼氏に断らせます。
このとき、彼氏は海外旅行に行けると考えていたあなたの期待を裏切ることで罪悪感を覚えます。
「本当は連れて行ってあげたいと思っているけど、それは無理なんだ」と苦しむかもしれません。
そんなときに、断った後に、本来の目的を伝えてあげると、彼氏はあなたが新たにしてほしいことを提案してきたぞと考えるわけです。
多少無茶でも実現可能であり、あなたが喜んでくれると信じ、その遊園地という提案を承諾します。
これはただ遊園地に連れて行ってもらえるというメリットだけではありません。
これにより、ただ遊園地に連れて行ってもらうよりも、彼氏が海外旅行に連れていけなかったと考えている分、彼氏はあなたを楽しませようと努力してくれるかもしれません。
ちょっと意地悪かもしれませんが、これであなたが楽しそうに素顔を見せることで、彼氏も「連れてきて良かった、頑張った甲斐があったな」と満足できるのです。
ですので、たまにこういった心理テクニックを利用してみるものよいかもしれませんね。
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