ヤーキーズ・ドットソンの法則とは -心理学でやる気とパフォーマンスを高める

心理学

 

社会人になると仕事でやる気が出なかったりしますよね。

はたまた、やる気があるけど、いつも空回りしてしまって上手くいかないといったことがあるかと思います。

このように気が抜けていたり、緊張しすぎていることで、成果が出せなかったり、自分の本来の能力を発揮できなかったりといった状況になっている方が多いかもしれません。

 

このような状況に陥っている方に知っておいてほしいのが”ヤーキーズ・ドットソンの法則”という心理的法則について本記事では紹介したいと思います。

 

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ヤーキーズ・ドットソンの法則とは

 

ヤーキーズ・ドットソンの法則とは学習活動に対する動機づけは適切なレベルにあることが必要であるとする理論です。

この法則でいう動機付けとは緊張やストレスを表し、その度合いが適切であればパフォーマンスが向上するといったものです。

 

人は仕事や人前での発表など、物事を行う上で適度な緊張はあったほうが良いと言うことが分かっています。

だからといって、大事な場面で極度に緊張してしまえば、多汗になったり、しどろもどろになってしまったりします。

また、人は他人によく見られたいと思うもので、「失敗したらかっこ悪いから、成功させねば」と考えてしまえばしまうほど、失敗してしまうものです。

そんな逆に動機付けも弱ければ、やる気やパフォーマンスが下がってしまいます。

ですので、物事の動機付けは強すぎず、弱すぎずで設定することが望ましいということです。

 

このヤーキーズ・ドットソンの法則を結論付けた実験の説明をしたいと思います。

アメリカの心理学者「ロバート・ヤーキーズ」と「ドットソン」はネズミを使った学習と電気ショックを用の程度に関する実験を行いました。

この実験から、簡単な課題であれば、電気ショックが強ければパフォーマンス(学習効果)が上がるという結果が得られました。

しかし、難しい課題の場合は電気ショックが強くしすぎると学習効果は弱くなってしまうことが分かりました。

 

これを人間に置き換えると、動機付けとなる緊張やストレスがは低すぎず、高すぎない適度な状態にすることで、パフォーマンスが最大になると考えられるようになりました。

 

 

ヤーキーズ・ドットソンの法則の具体例

 

ヤーキーズ・ドットソンの法則では適度な動機付けが重要だということを説明しました。

では、そのヤーキーズ・ドットソンの法則の動機付けはどのようなものが良いのか説明していきます。

 

例えば、親と子の関係でよくある、「テスト」で説明してみます。

親が子供に勉強を積極的に行ってもらうために、テストの出来次第でお小遣いの増減させるといった手法が取られることがあります。

 

テストの出来が関係なしに今まで通りの金額を今月も渡すとしたら、その子供にとってテストに対して何の動機付けにはなりません。

「勉強なんてしなくたってお小遣いがもらえる」と考え、勉強よりもそのお小遣いでどう遊ぶかを考える方が優先されてしまうかもしれません。

このように、何をしても自身の現状に変化がないと考えられたら、モチベーションすら沸かないというものです。

 

ですが、ここで親が「今月のテストの出来が良ければ、来月のお小遣いを倍にしてあげる」と子に伝えたらどうでしょうか?

一時の努力次第で2か月分のお小遣いがもらえると考えれば、勉強にも励むと考えられますよね。

これはテストに対して、「やってやるぞッ!」と適度な緊張が得られるのではないでしょうか?

これがヤーキーズ・ドットソンの法則の理想的な動機付けだといえるのです。

ですが、ここでの例であれば「100点満点でなければならない」といった実現が困難な条件を付け加えてしまうと逆に「そんなの無理に決まっている」とやる前から諦めてしまうことがあるので注意が必要です。

 

最後に親が「今月のお小遣いはテストの点数が良ければ倍、悪ければお小遣いはあげない」という条件を出したらどうでしょうか?

子供はもしかしたら「テストが悪ければ、来月は遊びに行くことすらできない」とリスクを優先してしまうかもしれません。

それこそ、今まで勉強をしてこなかったことから、その条件をこなす自信すらないかもしれません。

そうなれば、猛勉強をしても、緊張のあまりテスト時には頭が真っ白になってしまい上手くいかないかもしれません。

こういったように過度な緊張やストレスを与えることで、本来のパフォーマンスを発揮することができないことがあるといえるのです。

 

 

仕事での動機付けは注意が必要

 

 

繰り返してしまうミスの場合

褒める

よく仕事などで同じミスをしてしまうといった方がいらっしゃるかと思います。

それは自分にしろ、他人にしろ、同じことを何度も繰り返したり、不注意でケアレスミスをしてしまうのは、気が緩み切っている証拠ですよね。

こういった場合は、単純なものでミスのしようがない作業には、強いプレッシャーを与えておくことが必要だといえます。

そのため、次に同じミスをしたら、「会社をクビにされる」「周囲から使えないレッテルを貼られる」といった気持ちで取り組むべきかもしれませんね。

 

部下へのプレッシャーは適度に

怒られる男性

よくドラマで主人公が営業職に就いていて、ノルマを達成できていないことから上司に怒られているシーンをみますよね。

確かに、仕事上、上司が部下に危機感を持たせるためにプレッシャーを与えるのは正しいことかもしれません。

ですが、周囲の人がみている中、怒られていた場合、途轍もない恥をかいたことで、翌月の業務では「次に成果が出せなければ、もっと恥をかく」と強いプレッシャーをかけていることになります。

これでは、動機付けが強すぎて、更にその人のパフォーマンスを下げてしまっていることになります。

このように高い目標を持った上司は、目標を達成するために部下にプレッシャーを与えることが、逆に目標達成を遠のかせてしまっている場合があるということです。

ですので、部下の特性を考えて、プレッシャーを与えるべきか、それとも伸び伸びやらせるかを見極めて指導する必要があるわけです。

 

絶対に成功しなければいけないと気負いすぎてしまう

ビジネスではチャンスが必ずやってくるとは限りません。

ですが、そのチャンスをものにするために、集中しすぎて周りが見えなくなってしまうことがあります。

この大きなプレッシャーを自分に課すことで、自分よがりな行動ばかりしてしまうことだってあります。

ですので、「チャンスは行動し続けることで何度でも訪れる」と考え、視野を広く持つようにしましょう。

 

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