あなたは現在成し遂げたい目標はありますか?
そんな方は自らが決めた目標であれば、成功したいと考えるのが当然だと考えてはいませんか?
実は自分の目標を持って努力している方でも、無意識に成功を恐れてしまう”成功回避傾向”、つまり成功を恐れて避けてしまう心理的な状態になってしまう方がいらっしゃるのです。
この”成功回避傾向”を研究から明らかにした「マティナ・S・ホーナー」という心理学者がいます。
ホーナーは人は成功に対してネガティブに捉えてしまう傾向があるとして、1968年に”成功恐怖理論”を提唱しました。
そんなホーナーによれば、人は無意識のうちに、成功までの道の険しさによる苦労や、成功後の様々な代償やプレッシャーを予想し、成功を恐れ、回避しようとする心理があると言っています。
本記事では、そんな”成功回避傾向”がどんな時に生じるのか、具体的な例を挙げ、説明していきたいと思います。
成功後の苦労
人は目標があれば、それを成し遂げたいと考えるのは当然のことですよね。
ですが、その目標を成し遂げる手前で、成功を回避しようという心理的傾向があるのは事実です。
成功手前までで苦労してきた分、その成功を勝ち取った後は更に多くの苦労が必要になることがあるからです。
それを考えると「これまででもツラかったのに、さらにツラくなるなんて耐えられない」と考えてしまうわけです。
そうなれば、「成功しないで現状維持でいたほうがよっぽど楽だ」という気持ちから、本来のパフォーマンスを制限してしまうことがあるのです。
これを身近な例えでいうと、「会社での出世」が挙げられるかと思います。
会社員の方は「会社で出世をしたい」と考えている方がほとんどだと思います。
そのために必死に毎日働いて、成果を積み重ねていきますよね。
ですが、中には出世することで、部下を持つことへの不安や、もしかしたら大きなプロジェクトの担当を任されることを恐れる方もいらっしゃるかもしれません。
現在では悩むこともなかったことに悩まされたり、自分の判断がプロジェクトの成功を左右するといった責任から今まで以上に仕事に打ち込まなければいけないといった苦労が待っているかもしれないのです。
深読みをする方はそういった出世後の推測が明確になっていること方、出世を恐れてしまうんですよね。
特に出世後の責任に関しては、仕事で頑張って実力はつけてきたものの、自分の実力関係なしに責任重大な立場で働かなくてはならないことで恐れる方が多いかと思います。
出世をして、小さいプロジェクトで成果を出してから、大きなプロジェクトを任されれば、小さなプロジェクトこなした実績がありますから、失敗しても周囲から「今回のプロジェクトは難しいから仕方がない」と思ってもらえるかもしれません。
何より、小さなプロジェクトでも数をこなして大きなプロジェクトへといった順序を踏んでいくことで、心の準備ができたり、自信だってつきますからね。
そういった実力に合ったプロジェクトを任されることを望む方が多いのです。
こういった出世への不安が強まれば、「出世はしたいけど、責任や人の上に立って働くのはツラそうだ」と考えます。
そして、出世した後の苦労を考えれば、「今のまま程よく働けたほうが幸せなのかな」と出世を避けてしまう方もいらっしゃるのです。
周囲からの期待
周囲の期待が自分のプレッシャーとなり、無意識に成功を回避しようとしてしまうのです。
これはよくスポーツ選手のスランプの原因になったりします。
成功後にはさらに今後の練習が厳しくなるのはもちろん、「周囲から期待をしてもらえているのに、大成しなかったどうしよう」といった期待を裏切るかもしれないと不安になってしまうのです。
そういった不安から、無意識に成功を避け、実力を制限することで思い切ったプレイができなくなってしまうのです。
このように周囲からの期待が選手のプレッシャーとなり、消極的な気持ちで練習や試合に臨むことで本来のパフォーマンスを発揮できなくなってしまうのです。
幸せの絶頂
成功を恐れるのは特別な成功だけではありません。
多くの女性が結婚される前になる”マリッジブルー”なんかにも関係しています。
もしも、あなたが心から惹かれている異性がいるとします。
その人と付き合えたり、結婚出来たら、「とても幸せなんだろうな」と考えるかもしれません。
ですが、その反面、そういった幸せの瞬間、つまり「結婚や付き合えた瞬間が幸せの絶頂なのではないか」と不安に思うことはあるかもしれません。
これは「この相手で本当に良いのか」といった自分の決断に疑問を抱いたことで生じる不安かもしれません。
ですが、そういった不安は結婚した後に「これ以上の幸せを感じられるか」といった理由からだったりするんです。
つまり、結婚時は幸せの絶頂にいられるのは確信できるけど、それ以上の幸せが想像できないのが恐ろしくて、結婚を避けてしまうというのも成功回避傾向といえるのです。
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